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夢乃井便り

夢乃井の玄関横には、こんな木が植えてあります。
名前はカクレミノ(別名 天狗の隠れ蓑)、三中裂の葉が天狗が持っているそれを着ると姿が消える「隠れ蓑」に似ている事からこう呼ばれています。
その由来の通り「天狗の隠れ蓑」には、実はこんな民話があるというのはご存知でしょうか。

彦一は天狗の隠れ蓑が欲しくてたまらなかった。
そこで彼は知恵を働かせ、竹を1本切り、あたかも遠くを眺めているかのようにはしゃぐのだった。
それを見ていた天狗は「それは何か」と尋ねたところ、
「これは千里眼じゃ。遠くにあるもの、何でも見えよる」と言い返す。
譲ってくれと天狗は頼むが、彦一は譲らない。
それならば、隠れ蓑と交換というと、すぐさま竹の筒を手放し、彼は隠れ蓑を身につけてしまった。
一方、騙された天狗は怒るが、既に遅しもう姿は見えなかった。
彼はまず家に帰って女房を驚かせる。
調子に乗った彦一は色々と悪戯を思いついては実行し、あげくの果てには酒屋に忍び込み、好物の酒をぐびぐびと呑んでしまうのだった。
そして彼は酔っぱらい、家に帰るや熟睡してしまった。
その間に、女房が蓑をがらくたと勘違いして竈で燃やしてしまう。
その後、目覚めた彦一はびっくりして慌てて台所に駆けつけるが時既に遅し。
しかし灰だけでも消えないか試した所、ものの見事に姿を消すことが出来たので、彼は喜び、まだ飲み足りないのか再び酒屋に駆けつけた。
しかし今度は酒を飲んだことによって、唇の灰が剥げてしまい、主人に追い回され、最終的に淵に転落し、みんなの笑いものになってしまったのだった。

これは熊本県八代市に伝わる彦一とんち話の一つ「天狗の隠れ蓑」というお話です。
不思議なことに、この実だけは時折遊びにくる夢の里の小鳥達は食べません。
肌が弱い人の中には、樹液でかぶれる事もあるようです、その成分のせいでしょうかね?


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